神経性嘔吐症:症例①

緊張したり、息があがると吐き気をもよおす

30歳男性 会社員

症状

初見日:2019年3月16日

  • 人前で話そうとすると、吐き気をもよおして喋れない
  • 運動して心拍数を上げると吐き気がする

首が痛い、肩がこるなどの身体的な不調は無し。嘔吐症のキッカケは中学生の頃に習っていた空手で追い込んだ稽古をしてから。

 

以来、人前で話しをする際は、吐き気で上手く話せないで悩む。スポーツが好きなので色んなスポーツ(柔術)にトライしたい。

所見

根本原因

カルテ

【背部:肩甲帯の異常緊張】

空手は両手を挙げる動作が多い為、背部の筋肉を過剰に使う。

 

その為、背部の筋肉の緊張が肩甲帯をロックする。そして、胸部まで波及する。胸と背中は一つの筒で繋がっている。

施術・経過

目的:肩甲帯の緩和

肩甲骨

空手の競技特性で背部の筋肉の発達が顕著である。筋肥大が一般の人より1.5倍ある。

 

徹底的に背部の筋肉を緩和して、肩甲帯の動きの獲得を目指した。

 

初回施術日(3月16日)背部中心に肩甲骨剥がしを施行する。2回目施術日(3月23日)背部の緊張が緩和する。

 

3回目施術日(3月30日)喉のつまり感が出現する。吐き気が出る。背部の緊張も高まる。

 

4回目施術日(4月13日)喉のつまり感は減少する。背部も緩み、肩甲帯の可動範囲も獲得へ至る。

まとめ

空手

背部の異常緊張以外、所見無しだった。背中の脊柱起立筋や肩甲間部の筋肉が緊張が高まると、胸部は閉じる方向に作用する。

 

本来、胸部は心臓や肺があるので、広がらなければならない。たが、空手の特性で背筋が過剰に筋肥大して胸部が詰まってしまった。

 

結果、緊張するシーンで筋肉がより緊張状態に陥り、喉がつまり吐き気になる。3月30日の3回目来院時の翌日に入社式の司会を担当する。

 

30日来院時は体調が良くなかったのは、司会の緊張もあったと思われるが、本当に良くなければ、司会を引き受けるようなことはないだろう。

 

司会は無事にできたとの報告を受ける。やはり、スポーツは同じような動作が多く偏りがある。できれば色んなスポーツを楽しんで、複数な動きを獲得した方が大人になった時にプラスになるのだろう。