不眠症:症例①

いつまでも薬に頼りたくない…

40代女性(事務職)

症状

初診日:平成29年3月2日

  • 喉の違和感

平成28年の春ごろから眠れなくなり、喉に違和感が出る。喉が詰まった感じ。病院でマイスリー、デパスを処方される。薬で眠れる。

 

しかし、いつまでも薬に頼りたくないと思うようになる。鍼などの東洋医学の施術を10回以上、受けるも大きな変化がなかった。ネットで検索して当院へ来院する。

所見

カルテ

【原因】

左腰椎の変位・眼精疲労

 

左側へ腰が傾く。一日中のパソコンでのデスクワークのため腰に負担が掛かる。

 

また、椅子に座位時脚を組んでいる。ずっとパソコンを見ているため、眼精疲労が著明。閉眼時も眼瞼が痙攣する。

 

脳疲労=不眠

 

左腰椎の変位にて背骨が左側に、脳が右側へ傾く。しかし、脳が傾くと正しい命令を体に送れなくなるので、脳が疲れる。

 

つまり、不眠の原因は、自分自身の体の軸(正中線)が大きく傾いて、脳が疲労した。

 

やがて、疲労が蓄積され喉に違和感を感じる。つまり、自分の体の楽な位置がわからなくなる。眠れない体になってしまった。

施術・経過

【根本原因の改善】腰・目

 

左腰椎の変位を改善する施術を行う。柔軟性も向上する。眼精疲労回復の施術も行う。2回の施術でスキーに行くほど体調が回復する。

 

左の腸腰筋に緊張が見られる。体調に波があるも、お正月以来3ヶ月ぶり会った妹さんに「お姉ちゃん、元気になったんじゃない?」と言われる。

 

春先は毎年体調が良くない。現時点では、眠剤なしでは眠られない。

セルフケア・生活習慣動作の改善

狙い:改善への意識を高める

  • 椅子に座位時、脚組みをやめる
  • コンタクトレンズの装用時間の短縮
  • 眼精疲労回復のケア
  • 前屈ストレッチ
  • ウォーキング

まとめ

5回施術をした。結果的に、眠剤なしでは眠られない。ただし、体調が良い時が増えてきた。

 

スキーへ行ったり、仕事が早めに終わった時など、一つ手前の駅で降りて歩いたりしている。意識に変化が出てきたのは、体調が上向きである証拠。

 

眠剤を服用すると、脳を強制シャットダウンすることになるので、自然に眠りにつく様になるにはある程度の時間が必要である。

 

パソコン仕事での①眼精疲労(長時間のコンタクトの装用)と②腰椎の変位(座位での脚組み姿勢・座りっぱなし)により、脳疲労を起こし眠れなくなる。

 

そこで、睡眠薬を安易に使うと、体は眠れても脳が眠れない状態に陥る。結果として、ますます眠れなくなる。

 

薬が手放せなくなる悪循環に陥る前に、不眠の根本原因を改善すべきである。