化学物質過敏症:症例①

頭痛(インク・ペンキ・洗剤に反応)

58歳女性 主婦

症状

初診日:平成29年10月23日

 

  • 腹部にガスが溜まる
  • 左足(スネの外側)の痛み
  • ふらつき
  • 不眠(時々)
  • 疲れやすい

既往歴:脱腸(ope済み)学生時代バレーボールで左足の捻挫をしてから調子が悪い。日常生活でいす座位時脚を組むくせがある。

所見

原因

足首

足首(外側)のズレ

 

バレーボールで足首を捻挫した。捻挫は関節をつなぐ靭帯が伸びたものです。

 

その靭帯が緩んで足首を背屈(上に挙げる)の機能が低下する。筋肉の依存度が増して腓骨筋腱も痛める結果になる。

 

足を無意識でかばったため、首が右右側に傾く。腰部は左側に傾く。そして、その傾いた体を整えようとして、イスに座位時脚を組んでしまう。

 

どんどん体は傾いてしまう。骨格が曲がれば、内臓(腸)も傾いて捻れが生じる。

 

ご存じだと思いますが、腸が免疫を司る器官です。

 

また、足首は上下に運動します。きちんと上下運動して内臓に振動の刺激を与えています。すると、腸はあるべき位置に収まり正常に機能する。

施術・経過

根本原因の改善

女性の髪の毛

右足首(外側)の調整

 

右足首で背屈・底屈力の低下が著しい。足首のズレを調整(距骨前方凸)と腓骨(後方の落ち込み)を施行する。

 

首の右側への傾きも合わせて調整する。左腰部の筋緊張は残存する。3回目の来院時では「調子が良い」と言う。足首の可動域と回復する。

 

右首と左腰の筋緊張は変化ない。おそらく足の筋力の回復過程での反動と推測できる。5回目(12月6日)来院時、髪の毛にツヤと張りが出てきた。

 

マンションの下の階の洗濯洗剤や洗車の香りで再び体調不良になる。胃腸の施術も合わせて施行する。体調が良い日もあるが、そうでない日もある。

まとめ

洗濯機

化学物質過敏症は、体の不調を解消すれば症状はある程度の軽減は期待できる。

 

しかし、化学物質過敏症はアレルギー体質そのものを改善しなければならない。だから、半年、1年、1年半、2年という時間が必要である。

 

①足の捻挫をした→②かばって体のバランスを崩した→③バランスを取ろうとして脚を組んだ→④約5〜7mの腸(管)が詰まった→⑸免疫力が低下した→⑹化学物質が受け入れられなくなった→【結果】アレルギー体質になる

 

足は土台です。骨折でなく捻挫で良かったという判断は危険です。足首は「くび」です。体の急所だからです。